幻滅の地平に立つ

社会学を勉強する大学生が、色々調べたり考えたりするブログです。

【テーマ1-1】SNSにおける友達募集サイトの考察

チャットアプリ「カカオトーク」における犯罪行為によって、東大生が逮捕された事件が報道されていましたね。

 

【元記事URL】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140214-00000100-jij-soci

 

このニュースを受け、僕はかねてから興味があり、データを収集していた、SNSにおける友達募集サイトについて具体的に取り上げ、考察することにします。

 

今回、考察の対象とするのは、

スカイプちゃんねるw  URL:http://skypech.com/

です。

 

この掲示板をモデルとして選んだ理由は、

①適度に書き込みが多く活発である

②風俗業者やゲーム業者が少なく、一般使用者が多いと思われる

以上二点です。

 

今回、考察するポイントは

・友達募集サイトの遵法性、違法性

・友達募集サイトの投稿の定量・定性分析

・友達募集サイトの現代社会論的考察

 

以上三点です。

 

今回は第一回目の考察記事ですので、SNSにおける友達募集サイトについて総論的にまとめておきます。

 

どのサイトにも共通するのは、

・掲示板の形式を取っていること

・自由に投稿できること

Skype、LINE、カカオトークなどチャットアプリのIDを投稿者が掲載していること

などです。

 

すなわち、掲示板サイトの利用方法としては、

①実際に書き込みし、自分のIDを検索してチャットアプリにメッセージをくれる人を待つ

②掲示板に掲載されているIDを検索してメッセージを送る

以上二つの方法があるといえます。

 

この方式の面白い所は、①の方法を取るユーザーの方が、ネットにおいてIDを公開すると言うリスクを負い、積極的に友達を募集しているにも関わらず、受け身的に連絡を待つスタイルである、ということです。

 

②の方法を取るユーザーは、IDをネット上に公開するリスクを負うことなく、自分の好きな投稿をしているユーザーにアプローチすることができるので、能動的なスタイルだといえます。

 

僕は今回、サイトの考察にあたって、実際にサイトを長期間にわたって利用し、その傾向、実情をなるべくリアルな形で分析することを心がけました。方法としては、参与観察と言われる方法ですね。

 

特に興味があったのは、

①いわゆる「出会い系サイト」に分類されるサイトであるが、本当に出会えるのか。

②使用するうえでのリスクはあるのか。

③男女の別によって利用状況にはどの程度違いがあるのか。

といったポイントです。

 

今回は参与観察にあたって、男性として振る舞うアカウントと、女性として振る舞うアカウントの二種類を用意しました。それぞれについて、有意な考察に至るきっかけとなるデータを得る事ができました。

 

具体的なデータや実際のサイト使用状況については、次回以降の記事で記述していきますが、まず最初に今回の分析を行う上でのルールとして、以降のことを心がけたことを明記しておきます。

 

・売春に関与しないこと。

種々の友達募集サイトにおいては、援助交際や下着類の販売を意図するような書き込みが多く見受けられます。これらは、いわゆる「お小遣い稼ぎ」として若い女性によって行われています。もちろん中には、男性がアカウントを運用しており、ニコニコ動画などでの放送を目的としたイタズラも存在しますし、あるいは、業者単位で運営しているアカウントもあるかと思います。これらの売春行為には一切関与しないことを、今回の調査・考察のルールの一つとしました。もちろん、売春行為に関与しない限りにおいて、アカウントへの接触を試みることは行いました。その際は、どのような人がネットにおいて援助交際の募集をしているのか、また、どのような方法で援助交際を行っているのかを中心に質問する形式にしました。

 

・話を聞くことに専念したこと。

今回の調査を行うにあたって、僕は普段出会わないタイプのたくさんの人々と知り合うことになりました。どうしても大学という狭いコミュニティで生活していると、それが世界の全てであるように思ってしまいがちです。例えば大学に進学するという選択肢を全く持たない高校生や、高校に進学するという選択肢をもたない中学生などとも関わる機会がありました。そういった場面では、僕が身の上を語ることよりも、特にそういった人たちが普段何を考え、何を見ていて、そして何を思って友達募集サイトを利用しているのかを聞き出すことに集中しました。

 

・方法的な人間関係に終始しないこと。

今回の調査を通して、僕は合計2000人にも及ぶ人々と話す機会を得ました。その中からもやはり、普段は得られない刺激を得る機会もありましたし、その一つ一つの出会いの価値は、たとえ出会いの方式がサイトを経由したものであるとしても、軽んじることのできないものだと考えています。ですので、調査目的であり、自分の知的好奇心を満たすためだけのサイト利用、そのためだけの被験者としての相手との対話に終始することなく、なるべく通常のオフラインでの人間関係と同じように、相手を尊重する態度を心がけました。

 

それでは、次回の記事より具体的にSNSにおける友達募集サイトの考察をはじめていきます。ご期待ください。